少し前から囁かれ始めた、もしかしたら食糧危機が来るのではないかという話。
都市伝説か噂で済めば良いのだが、コロナ危機によるパンデミック、ロシアによるウクライナ侵攻や紛争からの世界恐慌、気候変動等々、原因は様々ありそうだが、さて日本の備蓄は?
1.食糧危機に至る原因とは?
食糧危機とは、様々な要因により、全世界的に食糧が不足し、餓死者が多発するような状況の事である。
今世界の人口は約80億人、全世界で生産できる食糧は約100億人分らしい。が、これはかなりざっくりとした計算であるのは否めない。
ざっとこんなもんである。①と②は本当に進行しているか不明だし、どの程度の影響があるのかも分からないし、今は大丈夫そう。③はこれからが怖いが・・・ロシアによるウクライナ侵攻を考えれば、④が一番危険であろう。コロナパンデミックによる余波も考えられる。
2.現在の状況
各WEBニュースでも、食糧危機を伝える記事が多く取り上げられている。小麦に関する事も多いが、肥料高騰に関する記事も多い。日本は肥料もほぼ輸入に頼っており影響が懸念される。
まず、小麦の国際価格が上がっている。ウクライナは世界第5位、ロシアは第1位の小麦の輸出国で、両国で世界の小麦輸出量の約3割を占める。この小麦の供給が不足する恐れから価格が上昇した。[中略]
出典:青沼陽一郎
窒素、リン、カリ(カリウム)は肥料の3要素と呼ばれるが、このうちカリはロシアとベラルーシが世界の生産シェアの35%を占める(2020年)。ウクライナ侵攻による経済制裁で両国から西側諸国への輸出が減った。日本もロシア産の塩化カリウムの輸入を停止した。このため、塩化カリウムは3月に1トン562ドルと前年の2.8倍まで上がり急騰している。[後略]
08年の再来?足元で加速「世界食料危機」の深刻度 | ウクライナ侵攻、危機の本質 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース (toyokeizai.net)
最終更新日時:2021年5月17日
アクセス日時:2022年5月26日 23:04(日本時間)
3.昔話
3-1 若い頃
経験者には理解して頂けると思うが、とにかく米をキロ単位で買って、後は卵とか、納豆とか、缶詰とかあれば、当分は死なずに生きていける。
筆者も若い頃金が無くて、何日も食べなかったことがあるが、空腹ほどつらい事はこの世にない。一番キツイ死に方はきっと餓死だなとか考えていた。
3-2 1993年の米不足
1993年、記録的な冷夏による大不作になり、店頭からコメが消えるといった事があった。コンビニのおにぎりや弁当が50%タイ米になったあの時だ。
巷では「パサパサしておいしくない」など、タイ人にずいぶん失礼な物言が多く、テレビではおいしく食べるレシピなどをよく取り上げていた。
だが、コンビニでバイトしていた筆者は、タイ米を混ぜたおにぎりが大量に売れ残ったり、純国産米を名目に、値段を吊り上げた弁当が大量に余っていた事をよく覚えている。
食糧不足になると外食産業やコンビニ、スーパー等の業者が販売する分を大量に買い占める為、倉庫には大量に眠っているが、一般の家庭に出回る白米は店頭に並ばなくなるのであろう。本当に足りない場合は、それどころではないが。
江戸時代の一揆や打ちこわしが起こったのも、商人の蔵には大量にコメが眠っていたからでもある。
3-3 戦時中の話
コンビニやスーパーに行けば、難なく食料品が買える現代日本で、食糧不足を経験した人は、戦前、戦中、戦後の混乱期を生きた老齢の方くらいのものであろう。
かなり昔、祖母に戦時中の事を聞いた事がある。
ネズミを捕まえて食べようとしたが、食べる箇所が殆ど無くて泣きが入った事や、トウモロコシを炒めてポップコーンにして食べた事、あわやひえを食べたが、あんなものは人間の食べるものじゃないと言っていた事を思い出す。
4.日本の備蓄状況は
4-1 日本の小麦自給率
ちなみに、日本の小麦自給率は約12%、残りの88%は輸入に頼っており、輸入国はアメリカ50%、カナダ33%、オーストラリア17%となっている。
小麦の備蓄は90万トン(約70日分)だが、多いのだろうか、少ないのだろうか?
4-2 備蓄米制度
1993年の米不足の教訓を生かし、1994年から備蓄米制度をとっている。
常時100万トンの備蓄があり、毎年20万トンを入れ替え、古くなった米は、飼料用にしている。
また、農協や、卸業者等で約280万トンの備蓄がある。380万トンでどれだけ持つのか?というと、全国民1億2000万が一日1合食べたとして、約190日持つ計算になる。
今回のロシアによるウクライナ進攻 で日本は米英側に組したので、そう簡単に食糧不足になる事は無いと思うが、小麦に関しては値段高騰になるのは間違いなく、外食産業は大変な事になりそうだ。
全世界的に見ると、ロシアとウクライナから小麦を輸入している、アフリカ諸国や中東辺りは紛争や混乱、デモが頻発したり等、厳しい状況になりそうだ。
コメント