令和4年7月10日、第26回参議院議員選挙にて、得票率2%を上回り全国比例で1議席を獲得、参政党は国政政党となった。
その快進撃と人気の秘密は?そして、救国政党となり得るのだろうか?それともただの陰謀論者か?
1.参政党立ち上げから
2020年4月に結党。保守系で、「国民参加型政党」を標榜している。
キャッチコピーは「投票したい政党がないから、自分たちでゼロからつくる」。
2021年に、KAZUYA氏と、渡瀬裕哉氏が離党。理由は、党が、DS(ディープステート)等の陰謀論に傾倒して行き、現実的で無くなったから、とされているが・・・。
2021年、実業家の赤尾由美氏、歯科医師、歯学博士の吉野敏明氏、工学者の武田邦彦氏が参加。
また、アドバイザーとして、作家の小名木善行氏、医学者の井上正康氏、実業家、人権活動家の加藤秀視氏等が名を連ねる。
比例代表で176万8349票を集め1議席を獲得。神谷宗幣氏が当選。得票率は3.33%で、政党要件を満たした。
2.参政党躍進の秘密
2-1 元々、知名度や人気がある人が多い
参政党は、ボードメンバー、アドバイザーともに、YouTube動画で、1本辺り数万回以上、再生回数がある人が多い。
また、元議員、実業家、医師、大学教授、国政に立候補経験がある等、そこそこ知名度がある人が多い。要するに最初からある程度の票は持っていたと考える。
2-2 全国に支部を作った
これはかなり大きい。地方選出の立候補者が当選する事は相当難しいとしても、選挙運動で知名度を上げれば、全国比例で票数の増加が見込める。
更に、神谷氏が「龍馬プロジェクト」という団体を、地方議員を中心に、平成22年(2010年)に立ち上げていたのも大きい。
2023年4月に行われる統一地方選挙を見据えての狙いもあるはずだ。
2-3 ターゲット層
- 自民党(岸田政権)に懐疑的な保守層
- コロナ政策、ワクチンに懐疑的な層(成人でワクチン未接種者は、約1000万人いる)
- 現代日本の農業政策に懐疑的な層(食糧自給率の低下、有機栽培の推奨等)
- スピリチュアルとか陰謀論的な事が結構好きな層(参政党がそうだと言っているわけではない)
- 明確な支持層を持たない若年層
2-4 SNSを利用した選挙対策
れいわ新撰組や、NHK党にも言えるが、Youtubeや、Twitter、TikTokを利用したSNSでの拡散力に目を見張るものがあった。
参政党独自での拡散もあれば、評判を聞きつけたYoutuberによるものもあろう。明確な組織票を持たない小規模政党にとって、SNS対策は今後も大きなウェイトを占めるはず。
3.メディア報道、ネットでの評判の是非
3-1 歴史修正主義者?極右?
これは、参政党の主張の中に見られる、GHQの占領政策についての問題や、歴史的検証が為されていない事、外国人参政権反対や、外国人の生活保護反対等の主張を指していると思われる。
GHQによって多数の本が焚書されている事や、大学でGHQの占領政策の研究が出来ない事を知っているのだろうか。外国人に対する主張は筆者も大賛成。筆者も極右に該当するらしい。
3-2 オーガニック系、反ワク?
「オーガニック系」
元々日本人は小麦を食べてなかった、戦後入って来たとか、小麦を食べれば癌になるという演説内容についてだろう。
確かに話を多少盛ってる感はあるが(笑)、日本人は戦前米を一日2,3合くらい食べていた。足りない場合はサツマイモや大根、あわやひえを混ぜて食べていた。
パンは、おやつの様なもので、主食として9割米を食べていたのは間違いない。
有機農業に関しては、食糧自給率を上昇させようという目的と、農薬や食品添加物に塗れた食料品で健康を害して医療費を高騰させる事を辞める目的が根底にある。
これも来年から実行しようというのではなく、10年、20年スパンで向上させる事を視野に入れているのだろう。
「反ワク」
コロナを「流行り病」、ワクチンを「お注射」と呼び、マスクを外す事を推奨しているが、実名で話すとYouTubeでBANされてしまう。
筆者もマスクはいい加減にしてほしいし、ワクチンに関しては、接種希望者は打てばいいし、嫌なら打たなければいい。それだけの話だ。
3-3 統一教会?幸福の科学?
様々な団体からそれなりに支援は受けているかもしれないが、宗教票だけで170万票は取れないし、露骨に複数の宗教から支援を受けるのも無理だ。
それに、カルト臭を一般人は見分けるものだし、次の選挙から非常に厳しくなる。
3-4 自民党の別動隊?
参議院で1議席の別動隊は、自民党にとっても、さぞかし頼もしいに違いない(笑)。単なる別動隊なら全国に候補者を立てる必要は無い。
3-5 Qアノン、陰謀論者?
参政党の候補者が、「ユダヤ金融資本が~」とか、「ディープステートが~」等、選挙演説中に話す事についてだと思うが、確かに言い過ぎるのは好ましくない。
更に、これを検証するのは中々難しい。筆者としては、半分程度は正しいのではないかと思っているが・・・。何れ詳しく検証してみたい。
4.まとめ
「国民参加型政党」を標榜している為、今後様々な属性を持った人間が入党してくる可能性は否めず、最初の内は出入りが激しいかもしれない。
また、党員が急拡大した為、これを取り纏めるのは大変。
しかし、まともな党員が多くいれば、全て飲み込める可能性もある。3年間は国政選挙が無いので、当分は参議院で1議席だが、まず狙いは2023年の統一地方選挙であろう。
教育、食と健康、国まもりを参議院議員選挙の重点政策として掲げていたが、若干アバウトな点は否めない。
これからの政策は、党員が決めていくとの事だが、意見の食い違いもあるだろうし、如何にそれをまとめて政策に繋げていくかが、恐らく最大の課題。
在野から国政政党になるのはそんな簡単な事ではないし、相当頑張ってもせいぜい1,2議席程度だろう。
国政で影響を与えられるようになるのはまだ先の話だが、「蟻のひと噛み巨象を倒す」という言葉もある。是非とも、日本の為に頑張って頂きたい。
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