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【ジェンダーギャップ指数ー順位を上げるには?】ー計算方法から考える

社会問題
Wolfgang EckertによるPixabayからの画像

最近よく耳にする、「ジェンダーギャップ指数」。

国ごとの男女格差の度合いを示す指標であり、 非営利財団の世界経済フォーラム(World Economic Forum)が2006年以降、毎年発表している。

評価は、政治、経済、教育、健康の4つの部門で総合的に判断している。

要は、順位が低い国は女性が不当に差別されている国だ、という悪いメージを植え付けるのに一役買っている。

果たしてその内容は?順位を上げるには?計算方法はどうなっているのだろうか?

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1.日本のジェンダーギャップ指数順位

世界経済フォーラム(World Economic Forum)が2019年12月、「Global Gender Gap Report 2020」を公表し、その中で、各国における男女格差を測るジェンダー・ギャップ指数(Gender Gap Index:GGI)を発表しました。

この指数は、経済、政治、教育、健康の4つの分野のデータから作成され、0が完全不平等、1が完全平等を示しています。

2020年の日本の総合スコアは0.652、順位は153か国中121位(前回は149か国中110位)でした。



「共同参画」2020年3・4月号 | 内閣府男女共同参画局 (gender.go.jp)
最終更新日時:2020年
アクセス日時:2022年7月27日 10:00(日本時間)

2020年の日本の総合スコアは0.652、順位は153か国中121位である。実に不名誉な順位と言わざるを得ないが・・・。

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2.2020年度の各分野別順位とスコアを計算方法から考える

基本的には「女性÷男性」で計算され、男女の格差が無くなれば、指数(スコア)は「1.000」に、格差が大きければ「0.000」に近づく。

ジェンダーギャップ指数スコア=(政治分野+経済分野+教育分野+健康分野)/4

細かい計算方法は不明な所もあるが、大筋で間違いないと思われる。

大項目項目順位スコア備考
政治政治分野トータル1440.049
国会議員の女性比率1350.112衆議院男女比 417/47
閣僚の女性比率1390.056計算方法不明
過去50年首相の男女比730
経済経済分野トータル1150.598
労働参加率790.814
同一労働の賃金格差670.672
収入格差1080.541
管理職の人数1310.174
専門技術職の男女比率1100.680
教育教育分野トータル910.983
識字率11.00
初等教育進学率 11.000
中等教育進学率1280.953
高等教育進学率1080.952
健康健康分野トータル400.979
出生時の男女比率10.944
健康寿命 591.059
参考サイト
日本BPW連合会 【ジェンダーギャップ指数 GGGI】 (bpw-japan.jp)
男女共同参画推進連絡会議企画委員会(52回)内閣府男女共同参画局
PowerPoint プレゼンテーション (gender.go.jp)

日本は、政治分野(国会議員の女性比率、閣僚の女性比率、過去50年首相の男女比)、経済分野(管理職の人数)のスコアが著しく低い事がわかる。

3.単純に順位を上げるには?

女性議員(衆議院)を150人にしてみる

国会議員の女性比率は、150/314≒0.477になるが、政治分野トータルスコアは0.177。全体のスコアは、0.684になるので、100位にはなれるかもしれない。

閣僚の女性議員を10人にしてみる

閣僚の女性議員比率の正確な計算方法は不明だが、スコアから予測すると、2/36程度か。女性閣僚を10人にすれば、10/28≒0.357になり、政治分野トータルスコアは約0.156

全体のスコアは、0.679になるのでなので、女性議員を150人にしたのと同じくらいで、100位程度にはなれそうだ。

女性首相を誕生させてみる

過去50年の首相は25人(多分)。女性首相を誕生させたとして、1/25≒0.04になり、政治分野トータルスコアは約0.069。全体のスコアはほぼ変わらない。

上記3つを全て実行すると・・・

(0.477+0.357+0.04)/3≒0.291 政治分野トータルスコアは約0.291。全体のスコアは0.712になり、70位にはなれそうだ。

結果

各国の人口も違えば、国会議員数も違い過ぎる為、単純に比較するのは難しい。さらに、参議院議員の女性比率をいくら増やしても、スコアには影響しない。

先進国では、教育分野と健康分野に関しては、ジェンダーギャップがほぼ無い。

日本のように主要産業が製造業だと、女性の管理職割合は少なくなるが、理系女子が増えれば、将来的に管理職の割合も増えると思われる。

4.ほかのデータと比較してみよう

世界各国の合計特殊出生率、世界各国の殺人発生率、100万人当たりの強姦発生率のデータを合わせて比較してみよう。

特に深い意味は無く、筆者個人の独断と偏見に基づいてデータを作ってみた。

順位ジェンダーギャップ
指数上位及び主要国
ランキング
153ヶ国(2020)
合計特殊
出生率
(2019)
殺人発生率
ランキング
(150ヶ国)
(2020)
100万人当り
強姦発生率
ランキング
(116ヶ国)
(2010)
1アイスランド1.79420
2ノルウェー1.513224
3フィンランド1.49228
4スゥエーデン1.71026
5ニカラグア2.4339
6ニュージーランド1.77115
7アイルランド1.712737
8スペイン1.213073
9ルワンダ4.075データ無し
10ドイツ1.511542
15フランス1.99727
19カナダ1.58795
21英国1.6データ無しデータ無し
53米国1.74414
76イタリア1.313747
81ロシア1.53672
106中国1.7135データ無し
108韓国0.913131
121日本1.4142103
参考サイト世界の殺人発生率 国別ランキング・推移 – Global Note
100万人当たりの犯罪>暴力犯罪>レイプで比較したすべての国 (nationmaster.com)

結果

驚くべきは、ジェンダーギャップ指数上位の国が、100万人当たり強姦発生率が非常に高い点だ。

これは、強姦の定義にもよるし(スゥエーデンでは、夫婦間でも強姦が発生する)、訴え易い環境とも考えられる。

性犯罪の定義も曖昧な為、ジェンダーギャップ指数計算の項目には含まれていないのだと察するが・・・

5.まとめ

ジェンダー平等はSDGsでも推進されている項目の為、日本政府としては少しでも順位を上げたい所であろう。

しかし、限られた項目のみでのスコアであり、この世界経済フォーラムで発表されたジェンダーギャップ指数が、ジェンダー平等を表わしたものかは甚だ疑問だ。

特に、女性天皇、女系天皇にしようが、選択的夫婦別姓にしようが、ジェンダーギャップ指数には何の関係も無い事は覚えておいた方がいいだろう。

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