最近よく耳にする、「ジェンダーギャップ指数」。
国ごとの男女格差の度合いを示す指標であり、 非営利財団の世界経済フォーラム(World Economic Forum)が2006年以降、毎年発表している。
評価は、政治、経済、教育、健康の4つの部門で総合的に判断している。
要は、順位が低い国は女性が不当に差別されている国だ、という悪いメージを植え付けるのに一役買っている。
果たしてその内容は?順位を上げるには?計算方法はどうなっているのだろうか?
1.日本のジェンダーギャップ指数順位
世界経済フォーラム(World Economic Forum)が2019年12月、「Global Gender Gap Report 2020」を公表し、その中で、各国における男女格差を測るジェンダー・ギャップ指数(Gender Gap Index:GGI)を発表しました。
この指数は、経済、政治、教育、健康の4つの分野のデータから作成され、0が完全不平等、1が完全平等を示しています。
2020年の日本の総合スコアは0.652、順位は153か国中121位(前回は149か国中110位)でした。
「共同参画」2020年3・4月号 | 内閣府男女共同参画局 (gender.go.jp)
最終更新日時:2020年
アクセス日時:2022年7月27日 10:00(日本時間)
2020年の日本の総合スコアは0.652、順位は153か国中121位である。実に不名誉な順位と言わざるを得ないが・・・。
2.2020年度の各分野別順位とスコアを計算方法から考える
基本的には「女性÷男性」で計算され、男女の格差が無くなれば、指数(スコア)は「1.000」に、格差が大きければ「0.000」に近づく。
ジェンダーギャップ指数スコア=(政治分野+経済分野+教育分野+健康分野)/4
細かい計算方法は不明な所もあるが、大筋で間違いないと思われる。
大項目 | 項目 | 順位 | スコア | 備考 |
---|---|---|---|---|
政治 | 政治分野トータル | 144 | 0.049 | |
国会議員の女性比率 | 135 | 0.112 | 衆議院男女比 417/47 | |
閣僚の女性比率 | 139 | 0.056 | 計算方法不明 | |
過去50年首相の男女比 | 73 | 0 | ||
経済 | 経済分野トータル | 115 | 0.598 | |
労働参加率 | 79 | 0.814 | ||
同一労働の賃金格差 | 67 | 0.672 | ||
収入格差 | 108 | 0.541 | ||
管理職の人数 | 131 | 0.174 | ||
専門技術職の男女比率 | 110 | 0.680 | ||
教育 | 教育分野トータル | 91 | 0.983 | |
識字率 | 1 | 1.00 | ||
初等教育進学率 | 1 | 1.000 | ||
中等教育進学率 | 128 | 0.953 | ||
高等教育進学率 | 108 | 0.952 | ||
健康 | 健康分野トータル | 40 | 0.979 | |
出生時の男女比率 | 1 | 0.944 | ||
健康寿命 | 59 | 1.059 |
日本BPW連合会 【ジェンダーギャップ指数 GGGI】 (bpw-japan.jp)
男女共同参画推進連絡会議企画委員会(52回)内閣府男女共同参画局
PowerPoint プレゼンテーション (gender.go.jp)
日本は、政治分野(国会議員の女性比率、閣僚の女性比率、過去50年首相の男女比)、経済分野(管理職の人数)のスコアが著しく低い事がわかる。
3.単純に順位を上げるには?
4.ほかのデータと比較してみよう
世界各国の合計特殊出生率、世界各国の殺人発生率、100万人当たりの強姦発生率のデータを合わせて比較してみよう。
特に深い意味は無く、筆者個人の独断と偏見に基づいてデータを作ってみた。
順位 | ジェンダーギャップ 指数上位及び主要国 ランキング 153ヶ国(2020) | 合計特殊 出生率 (2019) | 殺人発生率 ランキング (150ヶ国) (2020) | 100万人当り 強姦発生率 ランキング (116ヶ国) (2010) | ||
---|---|---|---|---|---|---|
1 | アイスランド | 1.7 | 94 | 20 | ||
2 | ノルウェー | 1.5 | 132 | 24 | ||
3 | フィンランド | 1.4 | 92 | 28 | ||
4 | スゥエーデン | 1.7 | 102 | 6 | ||
5 | ニカラグア | 2.4 | 33 | 9 | ||
6 | ニュージーランド | 1.7 | 71 | 15 | ||
7 | アイルランド | 1.7 | 127 | 37 | ||
8 | スペイン | 1.2 | 130 | 73 | ||
9 | ルワンダ | 4.0 | 75 | データ無し | ||
10 | ドイツ | 1.5 | 115 | 42 | ||
15 | フランス | 1.9 | 97 | 27 | ||
19 | カナダ | 1.5 | 87 | 95 | ||
21 | 英国 | 1.6 | データ無し | データ無し | ||
53 | 米国 | 1.7 | 44 | 14 | ||
76 | イタリア | 1.3 | 137 | 47 | ||
81 | ロシア | 1.5 | 36 | 72 | ||
106 | 中国 | 1.7 | 135 | データ無し | ||
108 | 韓国 | 0.9 | 131 | 31 | ||
121 | 日本 | 1.4 | 142 | 103 | ||
100万人当たりの犯罪>暴力犯罪>レイプで比較したすべての国 (nationmaster.com)
5.まとめ
ジェンダー平等はSDGsでも推進されている項目の為、日本政府としては少しでも順位を上げたい所であろう。
しかし、限られた項目のみでのスコアであり、この世界経済フォーラムで発表されたジェンダーギャップ指数が、ジェンダー平等を表わしたものかは甚だ疑問だ。
特に、女性天皇、女系天皇にしようが、選択的夫婦別姓にしようが、ジェンダーギャップ指数には何の関係も無い事は覚えておいた方がいいだろう。
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