ある程度の年代の方なら御存知であり、自然と身に付いていると思われる、この「三角食べ」だが、最近これが出来ない大人が増えているという。
確かに周囲を見渡してみると、食生活の適当さがよくわかる。ちょっと調べてみた。
1.三角食べと、ばっかり食べ
「三角食べ」は本当にいいことなの?「ばっかり食べ」はダメ? 管理栄養士に聞いてみた | 東京すくすく | 子育て世代がつながる ― 東京新聞 (tokyo-np.co.jp)
最終更新日時:2018年11月10日
アクセス日時:2022年9月07日 22:00(日本時間)
上図を御覧頂きたい。「三角食べ」とは、ご飯、おかず、汁物を、交互に順序よく食べる方法で、順序の軌跡が三角形になる事からその名で呼ばれる。
「三角食べ」の反対は、「ばっかり食べ」というのを初めて知ったが、「片付け食い」ともいうらしい。
また、ダイエットの分野において、血糖値の上昇をしにくくする、「野菜ファースト」なる食事法もある。
これは、最初にサラダ等野菜類を食べ、次に肉類等のおかずを食べ、最後にご飯等の炭水化物を食べるという順番らしい。キャベツダイエットのようなものか。
2.歴史的経緯
元々「三角食べ」とは、1970年代に、日本の一部の学校での給食の指導方法で広められた言葉である。現在では、バランスよく食べる事は推奨されているが、「三角食べ」として指導される事はほぼ無いらしい。
文部科学省の「食に関する指導の手引き」で以前は記載されていた「主菜とおかずは交互に食べる」という文章が現在は無くなった。指導方法に行き過ぎがあり、時に管理教育ではないかと言われる事もあったらしい。
確かに「三角食べ」を強制では、食事も不味くなるだろう。食育に関しては、昨今流行りの子ども食堂との連携も、農林水産省では推進している。
「三食食べ」は日本独特の口内調味が出来る一方で、口の中の食べ物を汁物で無理やり流し込むと咀嚼が疎かになる等の問題点も指摘されている。
3.筆者の目撃体験(三角食べができない若者)
筆者としては、個人差はあるにしても、普通の人は適度に交互に食べるものだと思っていた。
が、甘かった。職場で新卒の子が入社してきた。部署は違うのだが、社員食堂で見かける事があり衝撃を受けた。
若干違うが、上図のような定食だったと思う。
- 彼はまず、みそ汁を全部飲み干した。
- 次におかず(焼き魚)を全部食べ切った。
- 次にご飯だけを全部食べ尽くした。
- 最後に漬物を全部食べて終了。
最初は、そんな食べ方したら、最後に御飯だけ残って、変な事になるだろと思っていたが、彼は意に介する風でも無く、当然とばかりに食べ切った。これこそが、ばっかり食べというやつだ。
それ、うまいのか?
その後もちょくちょく見かけたので、観察していたら、同様の食べ方だった。特にご飯だけを何も付け合わせもせずに、もぐもぐ食べる姿が衝撃的だった。
恐らく、ラーメンやハンバーガー等を食べる時は何の問題も無いのだろう。
如何に現代人が一般的な普通の食生活をしていないかよくわかる。実は外国人も三角食べは出来ないらしい。日本人の食生活が欧米化しているという事か。
4.食生活が不規則な大人達
確かに、同僚を見渡しても、変なのはかなりいる。
昼食に、菓子パンとお菓子とアイスとか、かつ丼とコーラ等々、他人が好きで食べている物なので、文句を言ったり、意見を述べるつもりは無いが、何だかなという気はする。
現代日本では、朝は菓子パンで、昼はカップラーメンで・・・という若い方は非常に多いのではないだろうか。昔は個人経営の定食屋さんが結構あったが、今はコンビニか、吉野家や、すき家等に代表される(肉系の)外食産業ばかりだ。
コンビニにあるパンとは名ばかりで、殆どがお菓子パンである。朝っぱらからケーキを食べているようなものだ。アイスをでかい陳列棚に入れて年中売り場に置くのもどうかと思う(売上はべらぼうに上昇したらしい)。
更に、コンビニの弁当や総菜は時間が経過しても、見た目がほぼ劣化しない。相当の添加物や保存料が使用されているのは確かだ。
しかし、自炊して、栄養バランスの良い食事をするのも大変だ。仕事は時間も不規則な派遣労働に従事する人が増えてきたし、食糧自給率の問題もある。解決するのは中々難しそうだ。
確かにネット上でも、「三角食べ」を推奨する内容もあれば、デメリットを指摘する内容もある。個々が好きに食べれば良いとは思うのだが、何かが壊れて行き始めている気がしてならない。
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