「孤独死(こどくし)」。
社会との交流が少なく孤立し、誰にも看取られず自宅内で死亡し、死後発見される場合を指す。自殺を含めるか否かについては、統計の取り方もあり微妙であるが、広義で含まれると言ってよいであろう。
「無縁仏(むえんぼとけ)」。
葬式や供養をする親族や縁者がいなくなった故人やお墓のことを指す。死してなお孤独という悲劇。
1.孤独死の実態
1-1 孤独死
孤独死に至るまでの要因は人それぞれであろうが、起きやすいとされる生活様式、環境は、次のようなものである。
- 高齢者(特に男性)
- 独身者(配偶者との死別、離婚等含む)
- 地域や家族とのコミュニケーションが希薄もしくは無い
- 経済的余裕がない(失業中含む)
更に、精神的疾患、アルコール中毒、障害を負ってしまった、引きこもり、老々介護等、加わる事が多いのではないだろうか。
また、独身男性の寿命が非常に短いという事も知っておく必要がある。
男性の場合、最も早く亡くなっているのが「未婚の人(死亡年齢中央値約66歳)」で、次が「離婚している人(約72歳)」。そして「配偶者のいる人(約80歳)」「配偶者と死別した人(約86歳)」と続く。
男性で最も“短命”なのは「未婚の人」だが…データがあぶりだす男女の顕著な違い|日刊ゲンダイDIGITAL (nikkan-gendai.com)
最終更新日時:2022年01月06日 06:00(日本時間)
アクセス日時:2022年11月04日 00:30(日本時間)
1-2 特殊清掃
皆さんは、特殊清掃というのを御存知だろうか。清掃業の一形態であるが、事件、事故、自殺等の変死や、孤独死等により、遺体の発見が遅れ、腐敗や、腐乱により、損害を受けた室内の原状回復等を行う業務の事である。
近年の孤独死の増加に比例して、特殊清掃業者の増え方は目を見張るものがあるそうだ。
テレビ等で御覧になった事があると思うが、孤独死後の部屋に訪れると、生前の生活状態によるが、多くの場合ゴミ屋敷と化している。
問題は、特殊清掃業者に頼むと非常に高額であるという事だ。アパート等の特殊清掃後、原状回復工事を行なえば、100万円程度は飛ぶ可能性がある。自分の死後、残された人にこれだけの負担を強いるのは忍びない。
1-3 直葬
直葬とは、宗教的な流れを組む通夜や告別式を省略し、火葬のみを行う葬儀のスタイルの事。
通夜無し、葬儀無し、香典等も基本無し、後は埋めて終わり。費用も、20万円程度と安価で出来る上、最近のコロナ事情もあり、非常に増加しているらしい。
最近では、家族葬や密葬等、故人と近い血縁者や家族のみで行う葬儀、通夜が増えていたが、更に追い打ちをかけているようだ。
2.無縁仏
2-1 少子高齢化
政府の無策もあり、これはどうしようもなく、墓を維持継承する人がいなくなり、無縁仏が増えていくのは恐らく防ぎようがない。
2-2 墓参りに行かない
墓が遠方にあったり、親戚付き合いが減った事により、墓参りに行かない人が非常に増えた。信心深さが無くなったこともあるだろう。
2-3 新しい墓を建てる必要がどれだけあるのか
都心部では、墓地の購入に関して、公営は空きが無く抽選待ち、また、民間は非常に高額であるにも拘わらず、新しい墓を建てる人が増えているらしい。
しかし、墓参りする人が減っていく上、少子化も間違いない段階で、何れは無縁仏になるのが目に見えているのにどうして?という疑問が残る。
2-4 散骨
墓不足や墓を維持継承する人がいない事、費用の問題などに加え、自然に還りたいという希望からお墓への埋葬ではなく散骨を希望する人が増加している。
海洋葬や、樹木葬などは、20万円前後で可能らしい。海洋散骨を行ったときには、「散骨証明書」が発行される。
3.まとめ
団塊の世代、団塊jrの世代が死亡していくのを迎える上、氷河期世代の男性は未婚者も多く、これから孤独死が相当増えるのは間違いなく、「孤独死→直葬→近親者も死亡→無縁仏」のようなパターンが相当増えると思われる。
これからは、孤独死→腐乱死体→特殊清掃の流れを防ぐ為、安価で安全確認をするようなシステムが出来上がるだろう。
更に、筆者は40代だが、自分が死ぬ時は恐らくもっと簡略化されて、死亡→火葬→業者が散骨→散骨証明書を郵送、みたいなパターンが増えそうだ。近親者もそれを望む人が多いかもしれない。
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