結論から言うと、DS(ディープステート)による分断工作ではないとは思う(笑)。DS自体の定義が不明で陰謀論扱いだし、検証の仕様がない。しかし、ネット保守界隈では中々に大きな問題になっているので、参政党の分裂の原因について取り上げてみたい。
1.参議院議員選挙から現在までの状況
- 2020年に設立され、2022年7月10日の第26回参議院議員選挙で得票率2%を上回り、1議席を獲得(神谷宗幣氏当選)、国政政党となった(立ち上げから参議院選挙迄はこちら)。
- 参院選終了後、新代表に松田学氏、副代表兼事務局長に神谷宗幣氏が就任。
- 2023年4月、第20回統一地方選挙で、230人を擁立し、100議席を獲得した。
- 2023年8月30日、松田学氏の代表辞任及び、後任に神谷宗幣氏の代表就任(事務局長兼任)を発表。また、アドバイザーであった赤尾由美氏の退任を発表。
- 2023年11月には、アドバイザーであった吉野敏明氏、赤尾由美氏が離党。武田邦彦氏は、アドバイザー辞任と党籍抹消を勧告された。
2.内紛と思われる事象
2023年6月頃から(もっと前からか?)、支部長や党員による、神谷氏の独裁体制の批判、執行部批判がSNS上で相次ぎ、元ボードメンバーや、アドバイザー等の辞任や離党が相次いでいる。赤尾由美氏、武田邦彦氏のYOUTUBE動画に詳しい。
武田邦彦氏の批判動画は当初かなり多かったが、一部消されたようである・・・。
3.分裂の原因
3-1 神谷氏及び、執行部の独裁について
具体的な事象は少なく、抽象的な事が多い気がするが、幾つか例を挙げると、
・地方選挙や、次の国政選挙等の公認を、何の理由も無く突如取り消される
・気に入らない支部長を多数除名している。
・神谷氏の言った事とやっている事が違う。
・執行部が支部に対して非常に高圧的で、意見を述べる事も出来ない。
・参政党の理念からかけ離れている。(共産党を目指しているらしい(笑)
筆者は党員でもなければ、内部事情に詳しい訳では無いので、ポイントを絞って見た。
1.具体的に何人公認を外されて、何人除名されたのか?
2.今年(2023年度)は、衆議院の解散総選挙が予想されたが、流れに流れており、選挙戦略はかなり流動的と思われる。
3.単純に人間関係の問題もあるのでは?
4.SNSで、流言飛語が飛び交うような現在の状況では、ある程度の統制を敷かないと、大混乱になる。
5.神谷氏は、最初から人事権と予算の管理権を持っており、途中から変更されたわけではないと思われる。
神谷氏と執行部側に寄った見方になるだろうか?
3-2 武田邦彦氏の名古屋(減税日本)との関係
実はこれが今回の内紛騒動で一番の大きな問題で、多くの参政党員の方は知りたい所であろう。
まずは2023年11月22日に投稿された神谷氏の動画を御覧頂きたい。
「G党のK氏」と、名前を伏せてはいるが、減税日本代表で名古屋市長の河村たかし氏の事であるのは間違いあるまい。
ポイントは簡単に2つ。
・単純な選挙協力なら良し。
・河村氏を共同代表に担ぐとか、参政党の運営費を減税日本の候補者に使う等は問題外。
この神谷氏の決断は、充分党員の支持を得られる物と推察される。
一部では、減税日本と組むのは参政党にとっても、メリットがあるのではという意見もある。が、共同代表という事になれば、河村氏ばかりメディアに露出し、参政党自体が取り上げられる事は殆ど無いだろう。
まるで三国志に出てくるような、「客を転じて主となす」の計である。「庇を貸して母屋を取られる」の方が近いだろうか。会社経営でも同様だが、外部の取締役やスタッフを入れたら、いつの間にか乗っ取られてました、みたいなものだ。
しかもこれに対して、武田氏からは明確な反論が無い・・・。
百田新党(日本保守党)との関係がどの程度あるのかは不明。百田尚樹氏によると、関係無いそうだが。
3-3 支部の反乱
一部の支部にて、神谷氏と執行部に対しての批判的な動画が散見される。参政党の未来を真摯に考えてという党員もいるだろうが、腹に一物ある人間も少なからず存在する。それに、内部の情報をSNS等でペラペラ喋るのは、はっきり言ってお勧め出来ない。
結局、支部に力を持たせ過ぎると、反旗を翻したり、別の党に寝返ったりする可能性も浮上してくる。更に、それを唆す人間がいるとなれば・・・。
三国志風に言えば(笑)、「駆虎呑狼(くこどんろう)の計」と言ったところか。
4.まとめ
確かに、急な党勢拡大をすると、組織としての基盤が確立するまではかなり大変である。説明不足だ、独裁だとか、人間関係の問題、執行部のあいつが気に入らないとか、支部党員に問題児がいる等々、政治活動どころではない。
他党からの潰し、スパイの送り込みも確実に存在する為、ある程度の統制は必要であろう。だからと言って、独裁とはちょっと考えにくい。立ち上げたばかりで、支部の数が300近いともなれば、目が行き届かない事の方が遥かに多いと思われる。
武田邦彦氏についてだが、確かにこの先生は非常に人気があり、そこらの芸人よりも面白いのだが、諸刃の剣でもあったようだ。
今のタイミングで衆議院議員選挙となるとかなりキツイが、結局流れた上に、国民民主党では前原氏の離党、自民党はパーティー券問題で、参政党の内紛劇のマイナスが打ち消されるのはラッキーである。まだまだ参政党にはツキがあるようだ。
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