東京一極集中と言われてから久しいが、地方から都市部に上京し、全く帰省も里帰りもしない人間は結構いるものだ。
ありきたりな話ではあるが、どんな理由があるのだろうか?取り上げてみたい。
1.実家に帰らない理由
1-1 親兄弟と仲が悪い。
これがやっぱり一番であろう。
非常に頼りになる親兄弟姉妹親族がいる反面、どうしようもない親子間、兄弟間、二度と顔を見たくないレベルで、修復不可能な関係は存在する。
1-2 実家が遠い(金がかかる)
実家の場所にもよるが、意外に交通費はバカにならない。例えば、青森ー東京間で新幹線往復だと四万円近くかかってしまう。もちろん、お土産その他含めると五万円は軽く飛ぶ。
一人暮らしで家賃を払って、奨学金返済や、尚且つ借金でもあろうものなら火の車である。お盆や、お正月に毎回帰省するなど、現実的ではないのだ。今更親が帰省の交通費を出してやるというわけにもいくまい。
また、都会に出るならまだしも、学年で何人かは、あり得ないくらい遠くの大学に進学や就職する人もいる。北海道ー九州、沖縄ー東北等、交通費は幾らかかるのであろう。
1-3 家事・育児・仕事などが忙しい
現実的な問題であるが、単純に忙しくてどうしようもない人は存在する。せっかく休暇を数日取得出来たとしても、わざわざ帰省する為の時間を割く人間は意外に少ないのかもしれない。
だが、時間を作ろうと思えば出来ない事もない。忙しい事を口実に帰省を避けている人が多いのが現状かもしれない。
1-4 友達がいない、会いたくない、良い思い出が無い
中学高校で不遇な学生生活を過ごした人は、二度と帰省したくない人も多いだろう。虐められていたとか、友達がほぼいない等が主な理由である。
だが、この手のタイプは、高校卒業時に、地元からかなり遠くの地域に行ってしまったり、最初から帰省する気が無い場合も多い。
1-5 地方の共同体の因習、風習、人間関係が嫌で近づきたくない
相当な田舎(人口1万人以下の町や村)であれば、考えられない事でもない。
人間関係が狭く非常に濃い地域では、近所の誰々がどこの大学に言っただとか、どこに就職した、誰と結婚したとか、今どうしてる等が丸わかりな上、小学校からの関係や因縁が、成人してからも続く可能性がある。
村長も、村議会議員も世襲ばかり、既得権益層もずっと同じ。非常にややこしい人間関係、家ごとの関係がある。新陳代謝が全く効かない社会である。
日の目を見る事が無い、既得権益層から外れた人間、特に若い世代はどんどん出て行く。これは昔からであるが、SNSが発達した21世紀の現代では、この流れが加速していると思われる。
1-6 みんなに会わせる顔がない
プライドが高い人にありがちである。一流大学に進学したが、その後の就職でうまくいかなかった、引きこもりやニートになってしまった、犯罪や事故に巻き込まれ加害者になってしまった、
夢破れて帰って来た、都会に行く理由は人それぞれあれど、夢や希望を大きく持って上京した人間ほど、この傾向があるのかもしれない。
地元の友達に面白い土産話や、自慢話を聞かせてやれれば自尊心は満たされるが、そうはいかないのが現状だ。
更に、実は地元の人間はそういうのがうざかったりする。
1-7 その他
・嫁もしくは夫が嫌だと言っている
基本的に独身者を想定して記述してきたが、既婚者の視点で考えると、これが一番多いかもしれない。
結局は、舅や姑との人間関係になるのだが・・・。中には、家業を奴隷労働のように手伝わされる、なんて話を聞いた事もある。
・いくつかの理由が重なっている。
・定期的に連絡を取り合っており、意思の疎通は出来ている。
・家業を継ぎたくない。
・帰る実家は無い・・・etc
2.無理して帰省するべきか否か
これは、非常に難しい。金や時間が無ければどうしようもないし、嫌々帰省するのも、どうなのだろうか?
大抵の人は、無理して帰省しない選択をすると思うが、家族との関係を修復出来るチャンスや、旧友との再会は何度もあるものではない。
人生においても大きな転換期になる可能性もあり、昔の友達に会って、そこから結婚に発展したりする話は良く聞く。ある意味、イベント事に近い。
今後、地方は疲弊していく可能性が高く、都市部に流入する若者ばかりになっていく事を考えると、重要な問題になっていくかもしれない。
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